フォーカス:「色」と「材質」

「色」と「材質」を上手く組み合わせて使用すれば、技術文書をわかり易く楽しく読むことができるようになるため、設計を容易に、素早く行うことができるようになります。

 

ThinkDesignには、それぞれの要素に対し異なる色や材質を割り当てることのできる強力な機能があります。
当初色の属性は、要素を区別したり、2次元図面印刷時の要素の線幅を設定したりするためだけに使用されていました。しかし今や、色による区別は、有効な伝達方法として企業全体で標準的な手法となっており、モデルや図面を他のシステムで読み込こんだり保存したりする作業などを円滑に進めるための手助けとなっています。
つまり、色と材質をうまく管理していけば、既存のモデルや図面を統一し規格化することができるのです。

次のような疑問を抱かれたことはないでしょうか?

  • 色や材質のライブラリを簡単に作ることができるのか。
  • どのような要素に対しても色や材質を割り当てることができるのか。
  • どうすればソリッドに特定の質量や材質を割り当て、アセンブリの質量を計算することができるのか。
  • どうすれば全部門で共通のライブラリを使用することができるのか。
  • 3次元モデルやアセンブリの設計において色を有効に活用するとどんないいことがあるのか。
  • モデルのエクスポート時にどのような問題が発生するのか。
  • 既存のモデルや図面は、現在使用している色や材質へすべて同一に変換されるのか。

ThinkDesign では、これらの疑問をすべて解消することができます!

色と材質は、要素に対して割り当てることのできる2つの別個の「プロパティ」を意味します。ここでの要素とは、寸法やテキスト、直線、曲線、曲面、ソリッド、ソリッドの個別の面、コンポーネントそしてアセンブリを示します。具体的には、現在のドキュメントに保存されている「カラーマップ」で設定された色を要素に割り当てることができます。
 

 

色は1から63まで使用することができ、それぞれの色において、反射色、ワイヤーフレームの色、印刷時の太さ、透明度、反射率などのパラメーターを個別に設定することができます。
「テンプレートとして保存」機能を使用すると、ここで定義した「カラーマップ」を参照した新しいドキュメントを開くことができます。
その他「カラーマップ」では、背景色やプロファイル編集時の背景色、選択を示すハイライト色、プレピックハイライト色などいくつかの色を設定することができます。さらに、色番号28から32は「Reserved(予約色)」となっており、プレビューでのみ使用されます。

注記:選択ウィンドウの色を変更したい場合は、色番号31のワイヤーフレーム色を変更してください。

アセンブリを設計する際に、ソリッドとコンポーネントの双方に異なった色を割り当てることは有用な作業です。ドキュメントのプロパティ内の「コンポーネントをコンポーネント色で表示する」にチェックすると、ソリッドの色ではなくコンポーネントの色が優先的に表示されます。この設定をうまく利用すれば、ソリッドの色、コンポーネントの色といったように2つのビューを切り替えながらアセンブリの詳細な組図を確認することができます。

コンポーネントの色

ソリッドの色

 

色に対して透明度を設定すると、さらにモデルの形状を確認しやすくなります。コンポーネントに対し透明色を割り当てると、その部品を透過してアセンブリに含まれるすべてのソリッドや曲面を確認ことができます。
さらに、コンポーネントなどの要素から作成した投影図に関しては、「投影図の属性(プロパティの編集)」で「モデルの属性」を保つ設定を行えば、コンポーネントやソリッドで設定した色を投影図に引き継ぐこともできるのです。

また、ある特定の箇所を強調させるために、ソリッドだけでなく、ソリッドの個別の面に対しても色を割り当てることができます。

ソリッドの個別の面に割り当てられた色は、STEPのAP214規格を使用すると、その色を保った状態で保存することができます。このような STEP ファイルを読み込んだ CAM 等のシステムは、ソリッドのある特定の面を認識し識別することができるため、その部分にのみ形状を追加したり特別な仕上げを施したりすることができるのです。

次回は、材質の管理や密度の定義方法、レンダリングモードにおける表示の切り替えやレンダリングライブラリについてご紹介します。

お楽しみに!