フォーカス:メタデータ

メタデータ ~ 部品に関連付けられたデータの情報管理

 

think3 PLM のプロダクトマネージャーである Marco Franchi は、製品情報の管理に関する記事をシリーズで配信しており、皆様にご好評をいただいております。すでに過去の記事でも取り上げられていますが、PLM の考え方においては、情報の検索および訂正の容易さは重要な要素となる部分です。特定の部品を見つけ、修正し、再利用するためには、その部品の存在を知っていること、そしてそれを素早く見つけ出せることが重要です。

効率的に検索するには、たとえ有意的な部品番号体系をとっていたとしても、ファイルやフォルダーの名前と言ったファイルシステム上の情報や ERP や EDM などの技術データ上の情報では十分とは言えません。

なぜなら、これらの情報には、ほとんどの場合必要な情報がすべて含まれているとは限らず、特定の要素の改訂履歴の参照や、その要素に関する資料への関連付けを行うことなどにも配慮して作られていないためです。

それらのデータを保管し、後に効果的な検索を行う為には、より高度で検索に的を絞った方法が必要となります。そこでメタデータが使われるのです。メタデータは、たとえ複雑な抽出条件下でも特定の情報や部品を簡単に検索し選択可能にするキーワードであり記述的要素です。例えば部品やアセンブリに関係するメタデータには、品目、材質、表面処理、設計者、長さ、幅、厚さなどがあります。このメタデータを使用して、「厚さ8ミリで、サポートプレートは陽極酸化アルミ製、設計者はスミスもしくはジョーンズ、サイズは400×500から600×80の間のもの全て」のように検索をかけることができます。

検索結果の善し悪しはメタデータの数とその整合性及び粒度によって決まります。不均一な情報を取り扱う際には異なったメタデータを利用するのが望ましいというのは重要な点です。先ほどの例に戻って考えると、材質と表面処理をひとつのフィールドで管理するのではなく別のフィールドとして分けて扱う方が良いであろうことは明確です。これはごく普通の事のように思えますが、ひとつのメタデータの中に過剰な情報を入れてしまい、検索の効果を下げてしまうのは、よく起こるミスです。

データの作成時に特定のメタデータをそれぞれの要素に割り当てるには、機能による階層分け を利用する方法が最も速く効果的であり、その結果その後の作業も単純なものになります。

(例)

  • 市販部品: 重さ、最大サイズ
  • プレートから機械加工された部品: 高さ、幅、重さ
  • 円形筒から機械加工された部品: 高さ、直径、重さ

 

PLM システムとメタデータの管理

PLM システムとして定義されるためには、ユーザーが定義するメタデータすべてを取り扱うことができなければいけません。通常メタデータは、その会社の要求に基づき PLM システムの機能をカスタマイズするシステムの導入段階、もしくはインストール後すぐに体系化されます。

これはとても重要な段階であり、PLM 導入にかかる時間と費用、そしてもちろんその後の利用に際しての有効性に大きく影響します。多くの PLM システムにとって、そのような設定は専門技術者によって行われ、必然的に多くの時間と高いコストがかかります。

しかし、PLM システムに導入された新しい情報技術により、それらは劇的に削減されます。特に、誰よりも会社の事を良く知るユーザー自身で簡単に設定することができるようになった点、そして初期段階での設定が必須で無くなった点により、柔軟で効率的な、管理が簡単なシステムとなりました。もしも読者のあなたが PLM システムの導入を検討しているのであれば、カスタマイズやメタデータの定義と作成といった面も十分にご検討ください。新しい世代の PLM システムは、多くの点で素晴らしい利点があります。