「材質」は、モデルの物理的な特徴や外観を定義するために使用されます。また形状の細部やアセンブリの設計に対して、次のような操作を行うこともできます。
始めの2つの場合は、材質をソリッドに対して割り当てます。3つ目の場合は、材質を1枚の曲面やスキン、もしくはソリッドを構成する個々の面に対して割り当てます。
ThinkDesign の『レンダリングライブラリ』機能を使用すれば、既存のライブラリを使用したり、独自の材質ライブラリを作成したりすることができます。
レンダリングライブラリの中にある『PreDefined』フォルダーには、以下のフォルダーが含まれています。
また、『PreDefined』フォルダーとは別に『UserDefined』というフォルダーもあります。
このフォルダーでは、新しいフォルダーを作成したり、材質を自由に並べ替えたりすることができます。
設定したすべてのライブラリは、PC の作業フォルダーに保存されるため、簡単にコピーすることができ、チーム内のユーザー同士で気軽に共有することができます。
Default フォルダー内にある材質を「コピー」し「貼り付け」をして新しい材質を追加すれば、特別なライブラリを作成することができます。また、特定のフォルダーを「現在のライブラリとして設定」すれば、ツールバー内に設定したライブラリが表示されるようになり、材質をより簡単に選択することができるようになります。この機能を使用すると、割り当てたい材質を素早く選択することができるようになる一方で、モデルに割り当てた材質が適切かどうかを確認することができるようになるなど、まさに良いこと尽くめなのです。
モデル構造ツリー内のレンダリングタブを選択すると、現在のドキュメントで使用しているすべての材質が表示されます。
アセンブリに対して材質を割り当てる場合には、始めにコンポーネントをカレントにして個々のソリッドに材質を設定します。必要であればレンダリングタブの材質リストから、設定を変更したい材質を選択して編集します。
材質は主に以下の項目で構成されています。
名前:材質には各々を区別するための名前があり、ライブラリへ保存することができます。また、ライブラリ内の材質の名前を相互に一致させておけば、ANSYS で FEA シミュレーションを行う際に、使用する材質の情報をそのまま渡すこともできます。
物理プロパティ: ソリッドの質量を計算するための密度を設定することができます。現在の測定単位(デフォルトはgr/mm 3)で表示されます。
解析コマンドの「質量属性」では、材質で設定された密度の値を使用して質量を計算します。この計算の際には、ソリッドを構成する面に個別に割り当てられた材質の密度は考慮されず、ソリッドに対して割り当てられた材質の密度が使用されます。
表示プロパティ: 材質の定義では、次のような項目が表示のプロパティに含まれています。
ダイナミックレンダリングの「高品質+材質」モードを有効にすると、材質で設定した特性が適用されたモデルが表示されます。このモードに切り替えると、効果を確認しながら色やテクスチャーなどの表示プロパティを設定したり、透明度と反射率のパラメーターを変更したりすることができるようになります。
高品質+材質
一方で静的レンダリングの「レイトレーシング」や「ファイナルギャザリング」を使用すると、表面の粗さやバンプマッピングなどのさらなる効果を確認することができるようになります。このモードでは物体相互の影や反射が詳細に計算されるため、最終的に高品質でリアルなレンダリングを得ることができるのです。
レイトレーシング
バンプの効果
ThinkDesign が提供するこの材質機能の優れた点は、材質のすべてのプロパティを1箇所で定義することができるという点です。この機能を活用して使用する材質を標準化して再利用したり、一つのライブラリだけでプロジェクトの全工程をサポートできるような独自のライブラリを作成したりすることができます。
今回ご紹介した機能を是非お試しください。
それではまた次回の記事でお会いしましょう。